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院長ブログ
2015.04.13

『女子の武士道 2』

『女子の武士道 2』

おはようございます!!!
今日も一日、全力で顔晴ります!!!
前回の続きです!


「目に見えるものに振り回されぬよう心の目を開きなさい」


祖母が左目を失明したことは、
何よりその両親を苦しめました。

このままいけばいつ嫁いでも、
というような気持ちになっていたのですから、
よほどの落胆だったことでしょう。

縁組さえ整えば十六歳で嫁ぐことも珍しくなかった時代のこと、
両親にしてみれば目前に迫った宝物が、突然、消えたようなものでした。

それは祖母にもよくわかっていました。
けれど、もうどんなにしても目を取り戻すことはできないのです。


それに、女の子に怪我をさせるべきではないという判断に間違いはなかったのですから、
これはむしろ勇気の証として受け止めてもいい。
祖母は努めてそう考えるようにしました。


「それなのに、そう思うそばから心がどうしようもなく沈んでのう。
目の痛みは軽くなっても心のほうは深い沼に落ちていくようでしたよ」


自分の母親が努めて明るく振る舞う様子も、
祖母にとってはつらいのでした。
いっそのこと自分をなじって泣いてくれたらどんなにいいか、と、
心がねじれていくような感覚を抱いた瞬間さえあったのです。


「でもそんなときに父が申したのです。
お前は天から心眼を与えられたのだ、と。
左目を失って生きていくという運命を与えられたということは、
それぐらい心の強さを見込まれているのだろう。
目に見えるものごとばかりで判断すると、
人は迷ったり誤ったりする。

まっすぐ生きていくには、ものごとを心で判断せねばならぬ。
お坊様も心眼を開くために修業なさる。
お前は修業せずして半分だけ心の目を開くことができたのだ。
そう言いなさる。

父がそう言えば母までもが、
そうじゃ、心の目を開くためには片方見えぬぐらいがちょうどいい、
などど申してな。

そんなものだろうかと思いましたが、
得心したように微笑んでいる父母を見ているうちに、
重たく沈んでいた心がいつの間にか軽くなっていましたよ」

光を失った左目は不自由なばかりでなく見た目にも恐ろしげでした。
それがどんな苦痛を祖母に強いるかは、
火を見るより明らかでした。


その運命を

「天から認められた証拠」

というのは、あまりに切ないことでしたでしょう。


それでもあくまで前を向こうとする、
運命を受け入れようとするその姿に、
私は心打たれます。


仏教は武士道に運命を穏やかに受け入れ、
運命に静かに従う心をあたえた。

(『武士道』PHP文庫)


私たちは時に運命を恨んだり、
自分に対して劣等感を抱くものです。

悪いことが生じれば

「なぜ自分がこのような目に遭わなければならないのか」

と思うこともあります。

けれど、持って生まれた運命も、
自分に対する劣等感も、災難も、
受け入れなければ対処することはできません。

かつて祖母から言われたことがありました。

「運命を受け入れずにいるのは
門前で右往左往しているようなもの。
中へ入らねば、どう歩いたらよいかも学べないものだよ」

そう諭しながら、
祖母は失明した時のことを思い出していたのかもしれません。


出典  女子の武士道   著 石川真理子   致知出版社

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なんと見事な父上の言葉でしょう。
我が娘にとってこれ以上の言葉はないと思います。

その言葉がすっと入るほど父上の日頃の心構えも
見事であったのでしょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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