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院長ブログ
2015.04.15

『女子の武士道 3』

『女子の武士道 3』

おはようございます!!!
今日も一日、全力で顔晴ります!!!

前回の続きです!


「怒りも悲しみも胸三寸」



嫁がせることをあきらめた祖母の両親は、
それまでにも増して、祖母に精進と勉学に励むよう諭しました。

祖母の人生が厳しいものになることは目に見えていたためです。
嫁ぐことが無理となれば、尼僧になるか女学校の教師になるなどして
自分で自分を養っていかなければならないだろうと考えたのでした。

祖母もそのつもりで一心にさまざまなことを学ぼうとしました。
もともと負けず嫌いなところもあったのでしょう。
片目でものを見る不自由さも口にはしませんでした。

とはいえ、それまでと同じように過ごすことなどできません。
しばらくは日常生活の動作にも事欠き、
机に向かえば字がゆがんで書の稽古も満足にできないのでした。

そのうえ残された右目ばかりを酷使するため視力が急激に落ち、
大好きな読書も目をこすりこすり行うようになっていきました。

何より祖母は鏡を見なくなりました。
十二歳ともなれば年頃です。

自分の顔や髪型が気になって、
一日何度となく鏡を覗き込んでしまうのが普通でしょう。
膜が張ったように白く濁った目をした自分の顔を
見るのがどれほどつらいことであったか、
たやすく想像できます。

鏡を見なくなったことに気づいた母親は、
あるとき静かに諭しました。


「鏡に向かってごらんなさい。
おなごは毎日よく鏡を見て、おのれの心に陰が射していないか
注意しなければならぬのです。
その左目が醜いと思うのであれば、
なぜ醜いのか考えなながら見つめてごらんなされ。

それはほかならぬ、
おまえの心が醜いと決めつけているからではないのかえ。
私には醜くは見えませぬ。
おのれより先に幼い子どもを守ったという、
おまえの清く正しい心がそこに見えるから、醜くは見えぬのです」

まだまだ自分は運命を受け入れていないのだ。
そのとき初めて祖母はわかったのでした。

そして

「清く正しい心が見える」

という母の言葉があまりにありがたく、
畏敬の念さえ憶えたのです。


「もし私の娘そのようになったら、私は母のように言えたかどうか。
それにしても心で見るというのは難しいもので、
それからは清く正しい心が見えぬものかとことあるごとに
鏡を覗き込んだけれど、
なかなか見えるようにならなかったねぇ。
でも、自分の新しい左目に、
それですっかり慣れましたよ」

祖母は笑いながらそのころを振り返りました。

その後、十九歳で義眼を得るまで、
祖母は怪我の痕の残る目で過ごしました。
近隣の子どもたちから、
ときに心ない言葉を投げかけられることもあったということです。


「悔しい思いはしましたけどね、
母のおかげでこの悔しささえも
おのれ自身なのだと思うことができるようになりましたよ。
そうすると、不思議と悔しいと感じる心を
おのれの力で消すことができるようになる。
なるほど怒りや悲しみも
おのれの胸三寸でどうにかなるものなのかも知れぬと
思ったものですよ」

重たい荷物は腕だけで持ち上げようとすると
なかなか持ち上がりません。
体にぴったりつけるようにして持っていると
ずいぶん楽になります。

これと同じで人生の荷物を
「これもわが身の重さ」と受け止めれば、
苦労も当たり前と
受けとめることができるのかもしれません。


出典  女子の武士道  著 石川真理子   致知出版社

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前回に引き続き
なんと見事な母上の言葉でしょう。

「醜く見えぬ、清く正しい心が見える」

これほどありがたい言葉はないのではないでしょうか
そして、

「心に陰が射していないか注意するために毎日鏡をよく見る」

と、鏡で何を見るのかを教えてくれています。
素晴らしすぎて何も言えません。
3回にわたり「女子の武士道」について書かせていただきました。
この本は本当におススメです。



最後までお読みいただきありがとうございました。


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