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院長ブログ
2016.02.08

『苦しい時、忙しい時、私たちは自分の周囲しか見えなくなる』

『苦しい時、忙しい時、私たちは自分の周囲しか見えなくなる』

おはようございます!!!

今日も一日、全力で顔晴ります!!!


「苦しい時、忙しい時、私たちは自分の周囲しか見えなくなる」



「もしもし?小倉?おまえ、今どこにいるんだよ!
島田(仮名)先輩と奥さん、料理つくって
ずっと待ってるんだぞ!」



電話口で、同期入社の山下(仮名)が
叫んでいる。


まだ携帯電話が世の中に存在しないポケベル全盛の時代、
今から20数年前、私が新入社員の
一年目だったときの話だ。


島田さんは職場の先輩。
最近、社内結婚したばかりで、私と山下は
島田さんも奥さんもよく知っていた。


だから、島田先輩が「遊びにこいよ」と
私たちを誘ってくれた。
私と山下は二つ返事で「行きます!」といった。

が、しかし・・・・・・。



「ごめん、ごめん。
ちょっと彼女が高熱出しちゃってさ。
今、看病しているから、今日は行けないわ。
島田先輩にも謝っておいてくれる?」


私はそう山下に伝えて、
電話を切ろうとした。
すると・・・・・・。



「ちょっ、ちょっと待って、小倉!
それはまずい。それはダメだよ。
それはやっちゃいけないよ。
島田先輩の奥さん、すごく一所懸命、
料理つくって待ってくれているんだよ。
小倉、絶対来なくちゃダメだよ・・・・」


おとなしく内気な性格の山下が珍しく大きな声で
厳しい言葉を話している。

私は彼の様子に面食らった。


「うん、わかる。申し訳ない。
でも彼女すごく苦しそうで。
ごめん。やっぱ、今日は行けないわ」


「ちょっ、おぐら!おーぐーらー!」

ガチャン。
私は受話器を置いた。



そして、それから20年後の現在。
年の瀬も押し迫り、毎日のように
様々な忘年会が催され、
そのうちのいくつかに私も参加してきた。


その中のある忘年会で、
受付を担当している女性がこんなことをいっていた。


「あれ?〇〇さん、来ないのかな?
事前の連絡ないよね?来るって返事あったよね?
おかしいなぁ・・・・・」


連絡のないままのドタキャン。
よくあること。ではある。


しかし、本人にはたいした悪気はないのであろう、
このドタキャン。
実はたくさんの人に迷惑をかけているのだ。


飲食店において、いくら立食形式のパーティーであろうが、
当日キャンセルは100%課金されるのが普通だ。


だから、当然、主催者は困る。
キャンセルした人にキャンセル料金を請求するのは手間がかかるし、
何より気が引ける。
かといって自腹で出すわけにもいかない。


参加者の皆さんから追加で徴収するのもおかしな理論だ。
さて、どうしたらいいものか・・・・・・。

ドタキャンした本人には内緒でなんとか
他の費用をやりくりしようか・・・・・。


「自分がキャンセルしたくらい、何とかなるだろう・・・・。」

そう高をくくっている本人の知らないところで、
幹事役は四苦八苦の苦労をしていたりする。


そしてたくさんの気を使って、本人に一言だけ、
こう返事をするのだ。

「急用があったんですね?
大変でしたね。大丈夫ですよー。
キャンセル料はいりません」

しかし、その明るい言葉の裏には、
たくさんの気苦労が存在しているのだ。


多くの場合、事前の連絡もなしに
ドタキャンする本人に罪の意識はない。

「だって、急に仕事が入ったんだからしょうがないじゃんか!」
「急に子供が熱出したんだからしょうがないでしょ」


それぞれの立場では精いっぱいの自己主張をする。
自分だって大変だったんだ・・・・。
自分の周りしか見えていないのだ。

しかし、そのドタキャンは必ず誰かに迷惑をかけている。
忙しい中、無償で協力してくれた幹事役に対する御礼を返すどころか、

恩を仇で返すことになってしまうのだ。

そう。まるで、かつて、新入社員だった頃の私のように・・・・・。

今でも忘年会の季節になると、
毎年、山下の怒ったような、とどまった声が思い出される。

「ちょっ、ちょっと待って、小倉!
それはまずい。それはダメだよ。
それはやっちゃいけないよ・・・・・・」


私はなんてひどいことをしてしまったのだろうか。
相手のことなど、まるで考えない。


自分の都合ばかりを主張していた自分。
思い出す度に胸が苦しくなる。


自分が忙しいとき。
自分が苦しいとき。
自分がいっぱい一杯のとき。


私たちは、

「自分はこんなに大変なのに!」

と自分の周囲しか見えなくなる。


しかしそんなときこそ、
逆に周囲をおもんばかれる人間になりたい。
それは決して簡単なことではないけれど。


それができている人は周囲に数えるほどしか
いないのだけれど。

でも私はそんな人になりたい。

まだまだ、自分のことしかみえないことばかりなのだけれども。


出典  心にしみる31の物語 仕事の作法 生き方の仕法  著 小倉 広  ゴマブックス株式会社


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相手のことを慮る
そう、自分が苦しいときほど相手を慮る
決して簡単ではないけれど


最後までお読みいただきありがとうございました。


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