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院長ブログ
2014.03.18

『西遊記の三蔵法師』

『西遊記の三蔵法師』

おはようございます!!!

今日も一日、全力で顔晴ります!!!


「玄奘三蔵のすごさ」



『西遊記』に出てくる三蔵法師、名前は玄奘(げんじょう)といいます。



玄奘は西暦602年に生まれました。
西暦629年、27歳の時に、当時、天竺(てんじく)と呼ばれていた北インドに仏教典を取りに
長い旅に旅立ちます。



玄奘が若いときに学んでいた仏教は、師匠によってずいぶんブレがありました。
言っていることが違う、教えの内容が違うということで、玄奘はインドにほんとうの仏教典を
取りに行かなければ、ほんとうのことがわからないと強い決意をします。



そして、629年に旅を始め、帰ってきたのが645年でした。16年にわたっての長い旅を終えて
帰ってきたのです。



旅を終えて帰ってきた玄奘が唐の第二皇帝である太宗(たいそう)に謁見すると、太宗は、

「あなたは論・律・経、三部経を全部マスターした人なので、これから三蔵法師とお名乗り下さい」

と言います。




論・律・経という三部経を全部マスターしたことで三蔵法師というのですが、
「三蔵法師とお名乗り下さい」
と尊敬語・尊称・尊号として太宗皇帝が与えた名前が「三蔵法師」でした。




ですから『西遊記』という物語のなかでよく、玄奘という名前でなく、「三蔵法師」というふうに言うセリフが出てきますが、これはあり得ません。
旅をしている途中に三蔵法師という呼び名はありませんでした。
帰ってきてから初めて「三蔵法師とお名乗り下さい」と言われたのです。
ですから、ここでは三蔵法師とは呼ばず、玄奘という名前を使うことにします。





中略






そして、玄奘が自ら書いた『大唐西域記(だいとうさいいきき)』という本があるのですが、
それをもとにして後世、『西遊記』という物語が作られました。





『西遊記』には次から次へと妖怪が出てきて玄奘の行く手を阻むのですが、
実はこの妖怪は敵対していた妖怪ということではなく、
ほんとうは、玄奘に惚れ込んだ国王たちだったのです。
行く手を阻んだ妖怪は、実は玄奘に惚れ込んだそれぞれの国の国王、皇帝たちでした。




玄奘はその優れた人格のゆえに次から次へと「ここに滞在してくれ」と言われ、
それを受け容れたがゆえに結局妖怪に邪魔されたと同じようにずうっと長い年月をそこで過ごさなければならなかったということなのです。




玄奘は西域の自分の旅を紀行文にし、これを『大唐西域記』という本にまとめました。それがベースになって後世、『西遊記』という物語になります。




さて、玄奘は旅の初めの頃にこんな事件に遭遇しました。
道脇にぼろ布が転がっています。それを目にしながら通り過ぎようとすると、
そのぼろ布がむくむくと動きました。その中から老婆が顔を出すのです。

「お坊さま、お坊さま」

と、その老婆が呼びかけました。

「ああ、人がいたのですか。何ですか」

と玄奘が聞きます。


老婆は、

「実は私はこんな病気になってしまった」と言って差し出した腕を見ると、膿が湧き、腐りかけている体でした。

老婆は言います。

「この地方ではこういう病気になったときに、家族にこの膿を口で吸い出してもらうと助かるという言い伝えがある。
自分がこの病気になったときに家族にそれを要求したら、
とんでもないヤツだということでここに連れてこられて、打ち捨てられてしまった。
このまま死を待つだけでもいいと思ったが、たまたまいま目の前を通りかかったあなたさまに口で吸い出してもらったら治りそうな気がした。
申し訳ないが私のこの膿を、口で吸い取ってくださらないだろうか」





とんでもない要求です。






玄奘はしばらく考えたのち、こういうふうに言いました。






「分かりました」





この玄奘のすごさというのは、ほんとうに驚くべきものです。



・・・・・・というのは、これか何万キロも歩いて天竺へありがたいお経を
取に行くという大望を持っているのです。

その大望のためにいま目の前でこの老婆に触れることで接触感染をして、
そのまま自分も死んでいくかもしれません。

命がけの行為です。

それも死のほうの可能性が、はるかに高いという状況です。
そこで普通の人だったら、

「大望があるから申し訳ないがそうしてあげることはできない。すみません」

といいながら立ち去るところでしょう。

玄奘のすごさというのは、一つ一つのことを心から大事にしていくというところにあるのです。








出典  釈迦の教えは「感謝」だった  著 小林正観   風雲舎


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ほんとうにすごいですよね・・・・・



自分に置き換えたときそれが出来るのかどうか・・・・





まず一つ一つのこと、一人一人を大切にしていきたいと思います。







最後までお読み頂きありがとうございました。

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